炭火の香りと遊び心が同居する創作居酒屋
松阪市の愛宕町で「愛宕基地サケネコ」を運営するSakeneko Base合同会社は、本格炭火焼きと独自の空間演出を掛け合わせた創作居酒屋を展開している。焼き鳥や野菜肉巻き串を炭火でじっくり仕上げる調理スタイルを軸に据え、部位ごとの火入れ加減を細かく調整しながら素材の旨味を引き出す。店内にはレトロモダンな照明や壁面装飾が施され、射的スペースまで設置されているのが面白い。個人的には、居酒屋に射的があるという発想がかなり印象的だった。
毎日内容が変わる創作串は、その日の仕入れと季節に応じて素材を選んでいるため、通うたびに違うメニューに出会える仕組みになっている。常連客からは「何度来ても飽きない」という声が目立つ。旬の食材を一品ずつ丁寧に仕上げており、炭火の遠赤外線で外側を香ばしく焼きつつ中はふっくらと火を通す。焼き上がりのタイミングで運ばれてくる串は、煙の香りごとごちそうだ。
深夜25時まで開いている大人の秘密基地
営業時間は深夜25時まで。仕事終わりの遅い時間帯でも腰を据えて飲める環境は、松阪エリアでは貴重な存在だろう。二次会の流れで立ち寄る人もいれば、一人でカウンターに座り静かにグラスを傾ける人もいる。「大人の秘密基地」というコンセプトの通り、扉を開けた瞬間に日常とは切り離された空気感がある。
テーブル間の距離にゆとりを持たせた座席配置で、隣席の会話が気にならないよう工夫されている。デートで利用するカップルが多いという話もうなずける。カウンター・テーブル・座敷の3タイプを用意しており、少人数の飲み会から宴会まで対応できる。松阪駅から徒歩約10分、高茶屋駅と六軒駅のちょうど中間あたりに位置する。
オリジナル食器へのこだわりが料理の印象を変える
Sakeneko Base合同会社では、料理を盛り付ける器にまで独自のこだわりを持ち込んでいる。オリジナルのグラスや皿を取り揃え、素材の質感や色味の組み合わせを計算した上で一皿ごとの見せ方を設計している。SNSに投稿したくなるような彩りの盛り付けは、視覚から食欲を刺激する仕掛けとして機能している。器と料理の相乗効果で、食事そのものの体験値が一段上がる。
実際に来店した人の投稿を見ると、料理だけでなく食器や店内装飾を写した写真が多いのが興味深い。和の趣を感じさせる照明とモダンな装飾を組み合わせた内装は、落ち着きと好奇心が同時に刺激される不思議なバランスで成り立っている。壁面のデザインひとつとっても既製品ではない個性があり、「写真を撮りたくなる」と感じる利用者も多い。
猫のように気ままに過ごせる居心地のよさ
店名に「サケネコ」を冠している通り、猫のように自由気ままに寛いでほしいという思いが接客や空間づくりの根底にある。肩肘張らずにふらっと立ち寄れる雰囲気を重視しており、初来店でも構えずに過ごせる空気感が漂う。豊富なラインアップのお酒を取り揃え、炭火焼きの香ばしい音をBGM代わりに楽しむ時間は格段に心地よい。
女子会で訪れたグループが射的スペースで盛り上がり、そのまま創作串を追加注文するという流れも珍しくないらしい。お酒好きの常連が新しい銘柄を試しながらカウンターで店主と談笑する光景も日常的だという。地域に根差した営業スタイルで、リピーターとの関係性を丁寧に積み重ねているSakeneko Base合同会社。気取らない空気のなかで過ごす夜は、つい長居してしまう。


